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人手不足で辞めたいと言えない?民法627条で見る退職の可否と伝え方

2026 9/05
転職サービス比較
2026年9月5日
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この記事を書いた人:あお
この記事を書いた人

あおFラン卒・内定ゼロ→2回の転職で年収350万→600万・フルリモートを実現した20代営業職。詳しいプロフィール →

「人が足りないから今は無理」「後任が決まるまで待って」。そう言われて辞めると言い出せない状態が続くと、自分のわがままなのではないかと考えてしまいがちです。

ただ、退職できるかどうかは気持ちの問題ではなく、契約と法律で決まっている話です。この記事では、人手不足を理由にした引き止めが法的にどう扱われるのかを条文で確認したうえで、伝える順番と、動けないときの選択肢まで整理します。

結論「人手不足だから辞められない」に法的な根拠はない
  • 期間の定めのない雇用はいつでも解約を申し入れでき、2週間で終了する(民法627条1項)
  • 「辞めたら損害賠償」の取り決めはそもそも結べない(労働基準法16条)
  • 脅して働かせることは禁じられている(労働基準法5条)
2週間
申し入れから
雇用が終了するまで
0
会社の同意が
必要とされる場面
3つ
確認する書面
契約書・就業規則・申出先
目次

「人手不足だから辞められない」は法的には成立しない

退職の申し入れから2週間で雇用が終了するまでの流れ。申し入れ・2週間の継続・雇用終了の3段階を示した図
人手不足でも、退職は申し入れから2週間で終わる

正社員のように期間の定めがない雇用契約では、退職の可否は民法に書かれています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法 第627条第1項(e-Gov法令検索/2026年9月5日閲覧)

読み取れることは2つです。ひとつは「いつでも」解約を申し入れられること。もうひとつは、申し入れから2週間が過ぎれば雇用は終了することです。

条文には「会社が同意したら」とも「後任が決まったら」とも書かれていません。人手不足は会社側の事情であって、労働者が辞められない理由にはならないというのが法律上の整理です。

これは「明日から行かなくていい」という意味ではありません。申し入れから2週間は雇用が続くので、その間の勤務や引き継ぎの義務は残ります。無断で行かなくなるのとは別の話です。

いつ言えばいい?2週間が下限、就業規則の申出期限も見る

法律上の下限は2週間ですが、多くの会社は就業規則で「退職は1か月前までに申し出る」といった期限を定めています。

実務では、就業規則の期限に沿って申し出るのが摩擦が少ないです。ただし就業規則の定めがあるからといって、2週間で終了するという民法の規定が消えるわけではありません。まずは自分の会社の就業規則を確認し、そのうえで日程を決めてください。

  • 雇用契約書:期間の定めがあるかどうか
  • 就業規則:退職の申出期限と手続き
  • 申出先:直属の上司か、人事か

引き止めの言い分を4つに分けて考える

引き止めの文句は色々ありますが、性質で分けると対応が決まります。

言われること性質考え方
人が足りない/後任がいない会社側の事情採用や配置は会社の責任。退職の可否とは別
繁忙期だから今は困る会社側の事情時期の相談には応じられるが、辞めないという結論にはならない
損害賠償を請求する法的な脅し違約金や賠償額をあらかじめ定める契約は禁止(労基法16条)
懲戒にする/退職金を出さない要確認就業規則の定めを実際に確認する。口頭の言い分だけで判断しない

上の2つは会社の事情で、法律上の引き止め根拠ではありません。時期の相談に応じるかどうかは、あなたが決めていい範囲の話です。

断り方の具体的な言い回しは、姉妹サイトの退職の引き止めがしつこい時の断り方で例文つきで整理しています。

「損害賠償を請求する」と言われたときの考え方

もっとも動揺しやすいのがこれです。ただ、労働基準法には次の定めがあります。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

労働基準法 第16条(e-Gov法令検索/2026年9月5日閲覧)

「辞めたら違約金◯万円」といった取り決めは、そもそも結べません。研修費用の返還などを持ち出されることもありますが、実質的に退職を縛る内容であれば同じ問題が生じます。

実際に損害が出た場合の賠償請求まで一律に否定されるわけではありません。ただ、退職そのものを理由に高額な請求が通る場面は限られます。具体的な金額を提示されたら、その場で合意せず、書面をもらって総合労働相談コーナーなどに相談してください。

契約社員など期間の定めがある場合

有期契約の場合は、期間の途中で辞める前提が民法627条とは違います。ただし辞められないわけではありません。

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。

民法 第628条(e-Gov法令検索/2026年9月5日閲覧)

体調を崩している、家族の事情がある、労働条件が契約と違うなど、やむを得ない事由があるときは直ちに解除できると定められています。何が該当するかは個別の事情によるので、迷う場合は窓口で相談するのが確実です。

あお

僕は1社目の物流倉庫を2年で辞めました。退職を伝える前に転職先を決めていたので、引き止められても入社日が動かせない状態を先に作れたのが大きかったです。伝える前に外側の予定を固めておくと、話し合いが交渉になりません。

ここまでの整理ここまでで押さえること
  • 期間の定めがなければ申し入れから2週間で終了する
  • 人手不足・後任不在は会社側の事情で、引き止めの法的根拠ではない
  • 違約金の取り決めは結べない。金額を出されたらその場で合意しない

帰してもらえない・怒鳴られる場合

話し合いの範囲を超えて、退職届を受け取ってもらえない、長時間拘束される、大声で責められるといった状況もあります。

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

労働基準法 第5条(e-Gov法令検索/2026年9月5日閲覧)

脅したり拘束したりして働かせることは禁じられています。この段階になったら、当事者同士で解決しようとしないほうが安全です。

  • やり取りを記録する(日時・発言・同席者をメモ)
  • 退職届は記録が残る形で出す(内容証明郵便など)
  • 公的な窓口に相談する(労働基準監督署/総合労働相談コーナー)

残っている有給はどうなる?

退職を決めたら、残っている有給休暇の扱いも一緒に確認しておきます。年次有給休暇をいつ取るかは、原則として労働者が決められます。

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

労働基準法 第39条第5項(e-Gov法令検索/2026年9月5日閲覧)

「労働者の請求する時季に与えなければならない」が原則で、会社が別の時季に変えられるのは事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。ただし退職日を越えて別の時季にずらすことはできないため、実務上は退職日までの範囲で調整することになります。

引き継ぎの日程と重なることが多いので、退職を申し出るときに、残日数と消化の希望を一緒に伝えるとやり取りが1回で済みます。残日数は給与明細や勤怠システムで先に確認しておいてください。

辞めると伝える順番

上司へ退職を伝える場面

準備の順番を間違えると、話し合いが長引きます。外側から固めるのが基本です。

  • 転職先または当面の生活の見通しを決める
  • 雇用契約書と就業規則で期限を確認する
  • 直属の上司に口頭で伝える(結論から。相談ではなく報告の形で)
  • 退職届を提出する
  • 引き継ぎの範囲と期限を合意する

とくに1番目が効きます。入社日が決まっていると、引き止めが「交渉」ではなく「日程の確認」に変わります。在職中に動く進め方は次の記事で整理しています。

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それでも言い出せないときの選択肢

法律の整理を読んでも、実際に切り出せるかは別問題です。上司との関係や職場の空気で、口に出すこと自体が難しい場合もあります。

その場合の選択肢は3つです。人事に直接申し出る、記録が残る形で退職届を送る、第三者に代わりに伝えてもらう。最後のひとつが退職代行で、仕組みと注意点は姉妹サイトにまとめています。

先に気持ちの整理をしたい場合は、辞められない理由を分けて考えるところから始めるほうが早いこともあります。

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人手不足で辞めさせてもらえないときのよくある質問

検索でよく見かける疑問をまとめました。気になるところだけ開いて確認してください。

人手不足を理由に退職を拒否されたら従わないといけませんか?

期間の定めのない雇用であれば、解約の申し入れから2週間で雇用は終了します(民法627条1項)。人手不足は会社側の事情で、退職の可否を左右する法的根拠ではありません。

退職は何日前に言えばいいですか?

法律上は2週間前が下限です。ただし就業規則で1か月前などと定められていることが多いため、まず自分の会社の規則を確認し、可能ならそれに沿って申し出るのが摩擦が少なくなります。

「辞めたら損害賠償」と言われました。

違約金や賠償額をあらかじめ定める契約は労働基準法16条で禁止されています。金額を提示されたらその場で合意せず、書面をもらって公的な相談窓口へ持ち込んでください。

契約社員でも期間の途中で辞められますか?

やむを得ない事由があるときは直ちに契約を解除できると定められています(民法628条)。該当するかは個別の事情によるため、判断に迷う場合は相談窓口を使ってください。

退職届を受け取ってもらえません。

記録が残る形で提出するのが確実です。内容証明郵便などを使い、やり取りの日時と内容も控えておいてください。拘束や威圧がある場合は労働基準監督署へ相談できます。

まとめ|辞められるかどうかは、気持ちではなく契約で決まる

人手不足の職場ほど「自分が抜けたら回らない」と考えてしまいますが、人員配置は会社の責任であって、労働者が引き受ける義務ではありません。

期間の定めがなければ、申し入れから2週間で雇用は終了します。違約金の取り決めは結べず、脅して働かせることも禁じられています。まず雇用契約書と就業規則を開いて、自分の場合の期限を確認するところから始めてください。

話し合いで解決しない場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。ひとりで抱えたまま我慢を続ける必要はありません。

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この記事を書いた人

あおのアバター あお

Fラン大学卒・新卒就活では内定ゼロからのスタート。物流倉庫の出荷作業員→人材会社の営業→日系SaaS企業の営業職と、20代で2回の転職を経験し、年収600万円・フルリモート勤務を実現しました。自身の経験をもとに、第二新卒・20代向けの転職情報を発信しています。

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