「既卒だと就職できないのではないか」「新卒枠にはもう応募できないのではないか」——卒業後に就職先が決まらないまま就職活動を続けていると、この2つの不安がずっとついて回ります。
ただ、この不安には企業側の実際の数字という答えがあります。厚生労働省の調査によると、新卒枠で正社員を募集した事業所のうち71%は既卒者の応募を受け付けており、そのうち43%は実際に既卒者の採用に至っています。
この記事では、既卒の就職について「本当に閉じている部分」と「開いているのに知られていない部分」を、厚生労働省の調査と国の指針という公的な一次情報で切り分けます。そのうえで、就職サイト・エージェント・ハローワークの使い分け方と、面接で必ず聞かれる質問への答え方までを整理します。
既卒の就職は「できない」のか──厚生労働省の調査が答えている

「既卒 就職 できない」と検索すると、精神論や励ましの言葉が並びがちです。しかし本当に知りたいのは、企業側が実際に既卒者を受け入れているのかどうかのはずです。これは公的な調査で数字が出ています。
厚生労働省の「労働経済動向調査」(令和7年8月)は、四半期ごとに全国の民営事業所へ実施されている調査です。令和7年8月の回では特別項目として「新規学卒者採用枠での募集」が調べられており、既卒者の扱いがそのまま数字になっています。
新卒枠で募集した事業所の71%は、既卒者も応募できた
令和6年度に新規学卒者の採用枠で正社員の募集を「行った」事業所について、既卒者の応募可否と採用状況は次のとおりでした。
- 既卒者は応募可能だった:71%
- そのうち採用にいたった:43%(採用にいたらなかったのは57%)
- 応募不可だった:26%(残り2%は無回答)
つまり、新卒枠は既卒者に対して7割方は開いており、閉じているのは4社に1社ほどということになります。「既卒になった時点で新卒枠は終わり」というイメージとは、かなり距離のある数字です。
さらに、応募を受け付けた事業所のうち43%は実際に既卒者の採用に至っています。前年の調査(令和6年8月)では応募可能が72%・うち採用にいたったのが40%だったので、受け付ける事業所の割合はほぼ横ばいのまま、実際に採用まで進む割合が3ポイント上がったことになります。
この調査での「既卒者」には、フリーター期間も含まれる
数字を読むうえで大事なのが、この調査における既卒者の定義です。調査票の注記では次のように定義されています。
ここが重要な点です。卒業後にアルバイトをしていた期間があっても、この調査上は同じ「既卒者」として集計されています。つまり71%という数字は、正社員経験のないフリーターを別枠で除外した数字ではありません。「フリーター期間があるから自分は対象外だ」と先回りして諦める必要はない、ということです。
「できない」と感じる正体は、母集団の選び方にある
それでも就職活動がうまくいかないとき、原因は「既卒だから」ではなく受けている企業の集まり方にあることがあります。応募不可の26%に何社も応募していれば、書類で落ち続けるのは当然です。求人票からは応募可否が読み取れないことも多く、自分では気づきにくい落とし穴になります。
この調査の対象は「30人以上の常用労働者を雇用する民営事業所」です(令和7年8月調査は5,786事業所を客体、有効回答3,253事業所)。従業員30人未満の小規模な企業は含まれていないため、この調査結果をそのまま日本のすべての企業に当てはめることはできません。
既卒が新卒枠に応募できるのは「卒業後3年」まで?根拠と限界
「卒業後3年以内なら新卒枠に応募できる」という話を聞いたことがある人は多いはずです。これには実際に国の根拠がありますが、その中身を正確に知っておかないと、当てが外れたときに立て直せません。
根拠は「青少年雇用機会確保指針」
根拠は、「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づいて厚生労働省が定めている指針です。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークが事業主向けに配布しているリーフレットでは、指針の内容が次のように示されています。
既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「卒業後3年以内の既卒者は、『新卒枠』での応募受付を!」(LL021102開若01)2026年8月30日閲覧
できる限り上限年齢を設けないように努めること
これは「努力義務」であって、既卒者の権利ではない
ここが競合記事でほとんど触れられていない部分です。指針の文言は「応募できるようにすること」ではなく「応募できるように努めること」です。つまり企業に課されているのは努力義務であり、法的な義務ではありません。
だからこそ、先ほどの調査で26%の事業所が「応募不可だった」と回答していても、それ自体が違法というわけではないのです。
「卒業3年以内なら新卒枠に応募できるはずだ」と前提を置いて準備を進めると、募集要項の段階で弾かれたときに想定が崩れます。3年ルールは使える可能性を広げるものであって、応募を保証するものではないと理解しておいてください。
「応募不可としたい」と答えた事業所は、わずか3%
一方で、同じ調査には希望が持てる数字もあります。既卒者の新卒枠での応募について、今後の方針を聞いた結果(令和7年8月1日現在)は次のとおりです。
| 今後の方針 | 事業所の割合 |
|---|---|
| 応募可能としたい | 31% |
| 現在のところ未定 | 31% |
| 本社等でしか回答できない | 16% |
| 年齢によって応募可能としたい | 13% |
| 応募不可としたい | 3% |
| 無回答 | 5% |
はっきりと「応募不可としたい」と答えた事業所は3%しかありません。一方で「現在のところ未定」31%と「本社等でしか回答できない」16%を合わせた47%は、その場では答えが決まっていない領域です。
これは実務上、大きな意味を持ちます。募集要項に「新卒」としか書かれていなくても、それが「既卒お断り」を意味しているとは限らないということです。方針が固まっていない事業所が3割あるなら、問い合わせて初めて答えが決まるケースがあると考えるほうが実態に近いでしょう。
問い合わせるときは、条件を1つに絞って聞く
採用担当者に確認するときは、長い自己紹介を添えるより、答えやすい形で1点だけ聞くほうが返信をもらいやすくなります。聞くのは「応募資格として卒業年次の指定があるか」の一点です。
- 卒業年月を先に書く(相手が判断に必要な情報)
- 質問は「新卒採用枠に応募可能か」の1つだけにする
- 可否どちらでも構わない姿勢を添える(中途枠を案内されることがある)
業種によって「既卒の入りやすさ」は24ポイント違う
既卒の就職では「どの業種を受けるか」が結果を大きく左右します。同じ厚生労働省の調査を業種別に見ると、既卒者の応募を受け付けている事業所の割合には最大で24ポイントの差がありました。
| 業種 | 既卒者は応募可能だった | うち採用にいたった | 応募不可だった |
|---|---|---|---|
| 医療,福祉 | 84% | 54% | 13% |
| 情報通信業 | 82% | 45% | 16% |
| 金融業,保険業 | 79% | 48% | 21% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 78% | 44% | 22% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 78% | 47% | 21% |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 74% | 37% | 24% |
| 建設業 | 73% | 36% | 23% |
| 卸売業,小売業 | 70% | 43% | 27% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 69% | 42% | 26% |
| 運輸業,郵便業 | 64% | 38% | 34% |
| 不動産業,物品賃貸業 | 61% | 38% | 33% |
| 製造業 | 60% | 33% | 38% |
| 調査産業計 | 71% | 43% | 26% |
最も開いているのは医療・福祉で84%、実際に採用まで至った割合も54%と最高です。次いで情報通信業82%、金融業・保険業79%と続きます。逆に最も狭いのが製造業の60%で、応募不可が38%に達しています。
未経験からのIT就職がよく勧められるのは、単に求人が多いからだけではありません。情報通信業は応募可能82%・採用にいたった45%と、入口の広さと採用まで進む確率の両方が上位にある数少ない業種だからです。
受ける業種を1つに絞らない
この数字を踏まえると、既卒の就職活動では入口の広い業種を1つは候補に入れておくのが現実的です。第一志望が製造業なら、応募不可が38%ある前提で応募数を多めに見積もるか、応募可能率の高い業種も並行して受けるかを最初に決めておくと、途中で行き詰まりにくくなります。
既卒の就職に使う3つの窓口──サイト・エージェント・ハローワーク
既卒の就職活動で使える窓口は、大きく3つに分かれます。それぞれ得意な場面が違うので、1つに絞るより役割で使い分けるほうが効率的です。
| 窓口 | できること | 既卒での使いどころ | 費用 |
|---|---|---|---|
| 就職サイト・求人サイト | 自分で求人を検索して直接応募する | どんな求人があるか相場を知る。応募条件の書き方を比べる | 無料 |
| 就職エージェント | 面談での棚卸し、求人紹介、書類添削、面接対策、日程調整 | 「既卒になった経緯」を言葉にする段階から相談したいとき | 無料(企業側が費用を負担) |
| ハローワーク | 担当者制の職業相談、セミナー、職業訓練、応募書類・面接対策 | 地元で探したいとき。職業訓練を挟みたいとき | 無料 |
既卒が使える公的窓口は2種類ある
意外と知られていないのが、ハローワークには既卒者を想定した専用窓口が用意されている点です。一般のハローワークとは別に、次の2つがあります。
- 新卒応援ハローワーク:就職活動中の学生・生徒と、卒業後おおむね3年以内の人が対象
- わかものハローワーク:正社員を目指すおおむね35歳未満が対象。全国21か所、支援コーナー・窓口は199か所
わかものハローワークでは、担当者制による職業相談、就職活動に役立つセミナー、職業訓練(ハロートレーニング)、応募書類の作成支援、面接対策、企業説明会・面接会、就職後の定着支援までをすべて無料で受けられます(出典:厚生労働省「わかものハローワーク」)。
卒業後3年以内なら新卒応援ハローワーク、3年を超えていたりフリーター期間が長かったりする場合はわかものハローワーク、という分け方が目安になります。民間サービスと併用しても問題ありません。
3つを同時に始めない
3つとも無料なので全部登録したくなりますが、既卒の就職活動では先に「自分の経緯をどう説明するか」を固めるほうが先決です。説明の型が定まらないまま数十社に応募すると、同じ理由で落ち続けて手応えだけが減っていきます。面談で言語化を手伝ってもらえるエージェントかハローワークを先に使い、応募の量はそのあとで増やすのが順当です。
既卒に強い就職エージェントの選び方

就職エージェントは数が多く、名前だけでは違いが分かりません。既卒で選ぶときに見るべき軸は、次の3つに絞れます。
① 既卒・フリーターを「主な対象」にしているか
多くのエージェントは対象年齢や職歴の要件を公開しています。職歴のある転職者を主対象にしているサービスに既卒で登録すると、紹介できる求人がないと言われることがあります。既卒・フリーターを主対象として明記しているサービスを先に選ぶほうが、面談の中身が濃くなります。
② 求人の紹介方法(個別紹介型か、面接会型か)
紹介の仕方にも違いがあります。担当者が個別に求人を選んで紹介する形と、複数企業が集まる面接会に参加する形です。面接会型は書類選考なしで面接まで進めることがある一方、参加日程が決まっているため自分のペースでは動きにくくなります。どちらが合うかは、応募数を増やしたいのか1社ずつ丁寧に見たいのかで変わります。
③ 事業者としての裏づけを確認する
有料職業紹介事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要で、許可番号(13-ユ-〇〇〇〇〇〇の形式)は公式サイトに必ず記載されています。記載が見つからないサービスは、登録前に運営会社の情報を確認したほうが安全です。
さらに一段上の目安として、厚生労働省の委託事業である「職業紹介優良事業者推奨事業」の認定があります。たとえば就職カレッジを運営するジェイックは、全国約29,000社のうち45社(2025年5月末時点)しかない職業紹介優良事業者に認定されています。
既卒・フリーターを主対象にしているサービス
転職論で個別に取り上げているサービスのうち、既卒・フリーターを主な対象としているものを紹介の形と特徴で並べると次のようになります。
| サービス | 主な対象 | 紹介の形 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 就職カレッジ(ジェイック) | 既卒・フリーター・第二新卒 | 面接会型 | 無料の就職講座を受けてから書類選考なしの面接会へ進む。職業紹介優良事業者に認定 |
| ウズキャリ(UZUZ) | 既卒・第二新卒 | 個別紹介型 | 既卒からの就職支援が主軸。IT系の求人も扱う |
| 第二新卒エージェントneo | 既卒・第二新卒・フリーター | 個別紹介型 | 社会人経験が浅い層向けの支援。許可番号13-ユ-070309 |
| ウズウズIT | IT未経験・29歳まで | 個別紹介型+学習支援 | 無料のIT学習とセットで就職を目指す。許可番号13-ユ-305514 |
| ミラキャリ | 20代・事務職未経験 | 個別紹介型 | 事務・オフィスワークを目指す人向け |
| キャリアチケット | 新卒就活生・既卒 | 個別紹介型 | 新卒採用市場が主戦場。新卒枠を狙う場合の相談先になる |
| ハタラクティブ | 既卒・フリーター・未経験 | 個別紹介型 | 未経験歓迎の求人が中心 |
今の状況から選ぶなら
迷ったときは、今いちばん引っかかっている点から逆算すると決めやすくなります。
- 書類で落ち続けている人:就職カレッジ(書類選考なしの面接会型なので、書類で止まる段階を飛ばせる)
- そもそも何を話せばいいか分からない人:ウズキャリ(既卒の経緯を整理するところから相談できる)
- 手に職をつけたい人:ウズウズIT(学習と就職支援がセット。29歳までが対象)
- 事務職・オフィスワークを希望する人:ミラキャリ(未経験からの事務職に絞って探せる)
- 新卒枠での就職にこだわりたい人:キャリアチケット(新卒採用市場を主戦場にしているため新卒枠の情報が集まりやすい)
- まず求人の相場を知りたい人:ハタラクティブ(未経験歓迎求人の傾向をつかめる)
サービスごとの詳細を読む
既卒の就職活動を進める5つのステップ

やみくもに応募を増やす前に、次の順番で進めると手戻りが減ります。特に①と②を飛ばすと、③以降でつまずいたときに直しどころが分からなくなります。
① 卒業後の時間を「何をしていたか」で書き出す
面接で必ず聞かれるので、先に事実を並べておきます。アルバイト、資格の勉強、家庭の事情、就職活動そのもの——内容の立派さは関係ありません。空欄のまま面接に行くのがいちばん不利なので、書けるものから埋めます。
② 応募する業種の「入口の広さ」を確認する
前述の業種別データを使い、志望業種の応募可能率を把握します。応募不可が3割を超える業種(運輸業、不動産業、製造業)が第一志望なら、応募数を多めに見積もるか、入口の広い業種も並行して受けると計画が崩れにくくなります。
③ 窓口を1つ決めて、経緯の説明を固める
エージェントかハローワークの担当者と話しながら、①で書き出した内容を「相手に伝わる説明」に整えます。ここが固まる前に応募数を増やすと、同じ理由で落ち続けます。
④ 新卒枠と中途枠を両方見る
既卒は新卒枠と中途枠の両方に応募できる立場です。新卒枠は同期入社と研修が用意されていることが多く、中途枠は募集人数が少ない代わりに通年で出ます。片方に絞る理由は基本的にないので、両方を見ておきます。
⑤ 複数社を並行して受け、比較して決める
1社ずつ受けて結果を待つと、時間だけが過ぎていきます。数社を並行して進めると、内定が出たときに比較して選べます。
あお人材会社で企業担当の営業をしていたころ、採用担当の方から「既卒の応募が来たら中途枠のほうで見ている」と言われることが何度かありました。求人票に新卒と書いてあっても、社内では枠をまたいで見ているケースがあります。応募前に自分で候補から外すのはもったいないです。
既卒の面接で必ず聞かれる2つの質問
既卒の面接では、ほぼ確実に次の2つが聞かれます。どちらも「過去の説明」ではなく「これからの働き方」に着地させるのが型です。
「なぜ卒業までに就職しなかったのですか」
面接官がこの質問で見ているのは、反省の深さではありません。同じ状況が入社後にも起きないかどうかを確認しています。ですから、事実を短く述べたあと、今は何が変わったのかを具体的に続けます。
- NG:自分を責める説明だけで終わる(「準備不足でした。反省しています」)
- NG:責任を外に置く(「大学のサポートがなくて」)
- OK:事実 → そこで分かったこと → 今どう動いているか、の順で短く話す
「卒業してから何をしていましたか」
空白期間そのものより、説明できるかどうかが見られています。アルバイトをしていたなら、何を任されていたかまで言えると印象が変わります。シフト管理を任されていた、新人に教える役割だった、といった内容は職務経験として扱えます。
あお2回目の転職では、エージェントと面接練習を15回以上やりました。最初のころは前職の説明が長すぎて、面接官が知りたい「次に何をしたいか」に入る前に時間が終わっていたんです。既卒の面接も構造は同じで、経緯の説明はむしろ短いほうが伝わります。
内定ゼロで卒業したあと、どうなったか
この記事を書いている僕自身、新卒の就職活動では内定をもらえないまま卒業しました。最初の仕事は物流倉庫の出荷作業員で、そこで2年働いています。
当時いちばんきつかったのは、求人票を見ても自分が応募していい枠なのかどうかが分からないことでした。「新卒」と書いてあれば自分は対象外だと判断して、そもそも応募しないまま候補から外していた会社がかなりあります。この記事で厚生労働省の調査を最初に置いたのは、当時の自分に一番必要だったのがその数字だったからです。
その後2回転職して、いまはSaaSの営業をしています。2回目の転職ではエージェントを使い、面接練習を15回以上重ねました。スタートが出遅れても、順番を間違えなければ後から届くというのは、実際に遠回りをしたうえで言えることです。

既卒の就職に関するよくある質問
既卒とは、卒業後何年目までを指しますか?
明確な法律上の定義はありません。厚生労働省の「労働経済動向調査」では「学校卒業後すぐに当該事業所へ就職する者以外で35歳未満の者」を既卒者として扱っています(勤務経験の有無は問わない)。一方、新卒枠への応募受付を促す国の指針は「卒業後少なくとも3年間」を目安にしています。調査や制度で範囲が違うので、応募先の募集要項で個別に確認するのが確実です。
既卒と第二新卒の違いは何ですか?
一般的には、既卒は学校を卒業したあと正社員として就職していない人、第二新卒は一度就職してから数年以内に離職した人を指します。ただしどちらも法律上の定義はなく、企業によって線引きが違います。求人票に「既卒可」「第二新卒歓迎」が併記されていることも多いので、自分がどちらに当たるかを厳密に決める必要はありません。
既卒の就職率はどれくらいですか?
公的統計に「既卒者の就職率」という指標は見当たりません。近いのは厚生労働省「労働経済動向調査」(令和7年8月)の数字で、令和6年度に新卒枠で募集した事業所のうち71%が既卒者の応募を受け付け、そのうち43%が実際に採用にいたっています。これは事業所側の割合であって個人の内定率ではないため、「既卒の43%が就職できる」という読み方はできません。
高卒の既卒でも新卒枠に応募できますか?
国の指針は「学校等の卒業者」を対象としており、高等学校の卒業者も含まれます。ただしこれは事業主への努力義務なので、個別企業が学歴要件を設けている場合はそちらが優先されます。学歴を問わず相談できる窓口としては、おおむね35歳未満が対象のわかものハローワークがあります。
就職エージェントはなぜ無料で使えるのですか?
採用が決まったときに企業側が紹介手数料を支払う仕組みだからです。求職者から料金を取らないのが一般的で、有料職業紹介事業は厚生労働大臣の許可を受けて運営されています。許可番号は公式サイトに記載されているので、登録前に確認できます。
フリーター期間が2年以上あると不利になりますか?
期間そのものより、説明できるかどうかが見られます。厚生労働省の調査でも既卒者の定義は「勤務経験の有無を問わない」となっており、アルバイト経験があることで別枠に分けられているわけではありません。任されていた役割(シフト管理、新人教育など)を具体的に話せる形にしておくと、職務経験として扱ってもらいやすくなります。
就職活動はいつ始めるのがいいですか?
早いほど選択肢は多くなります。新卒枠への応募受付を促す国の指針が「卒業後少なくとも3年間」を目安にしているため、卒業から3年を超えると新卒枠を使いにくくなる可能性があります。卒業後おおむね3年以内なら新卒応援ハローワークも利用できます。準備が整っていなくても、相談だけ先に始めておくと動きやすくなります。
まとめ|既卒の就職は「開いている7割」から始める
既卒の就職は、感覚で語られがちなわりに、企業側の実態は公的な調査で数字が出ています。整理すると次のとおりです。
- 新卒枠で募集した事業所の71%は既卒者も応募可能、うち43%が実際に採用にいたった
- 「卒業後3年」は努力義務であり、応募不可の事業所も26%ある
- 業種差は最大24ポイント。医療・福祉84%に対し製造業60%
- 「応募不可としたい」は3%だけ。未定・本社確認が47%あり、聞いて確かめる価値がある
- 窓口はサイト・エージェント・ハローワークの3つ。経緯の説明を固めてから応募数を増やす
「既卒だから」で候補から外していた会社の中には、実際には応募できた会社が混ざっています。まずは開いている7割のほうを見に行ってください。




