経理に興味はあるけれど、未経験から転職できるのか。簿記は必要なのか。一般事務と何が違うのか。最初の一歩で迷う人はかなり多いです。
結論から言うと、経理未経験転職は可能です。ただし、「事務職なら何でもいい」ではなく、経理という専門職に寄せた準備が必要です。求人の数、即戦力志向、簿記の有無、繁忙期の働き方まで理解しておかないと、入社後にギャップが出やすくなります。
この記事では、経理の仕事内容、未経験転職が難しい理由、簿記2級・3級の考え方、年代別の動き方、後悔しやすいポイント、HUPROとミラキャリの使い分けまで整理します。
経理未経験転職は可能?まず結論から

経理は未経験からでも目指せます。ただし、未経験でも入りやすい求人と、経験者前提の求人を分けて見ることが大切です。経理担当として決算まで任される求人は経験者向けになりやすく、未経験者は経理アシスタント、経理事務、会計事務所の補助、総務経理などから入るほうが現実的です。
特に20代なら、ポテンシャルや学習意欲を見てもらえる可能性があります。一方で、何も準備せずに応募すると、一般事務との違いを説明できずに止まりやすいです。まずは経理の仕事を分解し、自分がどの入口から経験を作るかを決めましょう。
一般事務との違いを確認
未経験から経理転職が難しいと言われる理由
経理未経験転職が難しいと言われるのは、単に人気職種だからではありません。採用側が見ているポイントが、一般事務よりも専門寄りになりやすいからです。
① 求人の母数が一般事務より少ない
経理は、会社に必ず必要な機能ではありますが、営業や販売のように大量採用される職種ではありません。少人数の管理部門で回している企業も多く、未経験者を育てる余裕がある求人は限られます。
② 即戦力を求める求人が多い
経理は、請求書、入出金、仕訳、月次処理、決算補助など、ミスが会社のお金や取引先対応に直結しやすい仕事です。そのため、求人票では「経理経験」「会計ソフト経験」「簿記資格」などが条件に入ることがあります。
③ 簿記の有無で本気度を見られやすい
未経験者の場合、実務経験を示せない分、簿記の学習状況が見られやすくなります。簿記は資格そのものより、経理の基礎を理解している証拠として使うイメージです。
「未経験歓迎」と書かれていても、実際には簿記の学習経験やExcelスキル、細かい確認作業への適性を見られることがあります。求人票の歓迎条件まで必ず確認してください。
経理の仕事内容|日次・月次・年次で理解する
経理の仕事は、日々の処理だけでなく、月ごとの締め、年ごとの決算に向けて積み上がります。未経験者は、まず日次・月次・年次の違いを押さえると求人票が読みやすくなります。
| 区分 | 主な業務 | 未経験者が関わりやすい入口 |
|---|---|---|
| 日次業務 | 入出金確認、請求書処理、経費精算、仕訳入力 | 経理アシスタント・経理事務 |
| 月次業務 | 月次締め、売掛金・買掛金管理、試算表の確認 | 補助担当から徐々に経験 |
| 年次業務 | 決算補助、税理士対応、資料作成 | 経験を積んだ後に広げる領域 |
未経験で入る場合、最初から年次決算を一人で担当するケースは多くありません。日次業務や月次補助から入り、正確さ、スピード、確認力を身につけていく流れが自然です。
日次業務は経理の土台になる
日次業務では、請求書や領収書、入出金の確認、会計ソフトへの入力などを扱います。地味に見えますが、ここでミスが起きると月次処理にも影響します。細かい数字を確認し続ける仕事が苦にならないかは、入社前に考えておきたいポイントです。
月次業務は会社の状態を締める仕事
月次業務では、1か月分の数字を締めて、会社の売上や費用の状態を確認します。未経験者は補助から始まることが多いですが、月次の流れを理解できると経理としての市場価値が上がりやすくなります。
年次業務は経験を積んでから広げる領域
年次業務は決算に関わるため、実務経験が重視されやすい領域です。未経験転職の段階では、年次まで一気に狙うより、日次・月次補助を通じて経験を積める環境かを見たほうが現実的です。
経理事務・会計事務・一般事務の違い
未経験で求人を探していると、経理事務、会計事務、一般事務、総務経理など似た言葉が並びます。ここを曖昧にすると、入社後に「思っていた経理と違う」となりやすいです。
| 職種 | 主な内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 経理事務 | 社内のお金の流れを処理・記録する | 経理として経験を積みたい人 |
| 会計事務 | 会計事務所などで顧客企業の会計処理を支える | 複数社の会計に触れたい人 |
| 一般事務 | 資料作成、電話対応、データ入力など幅広い事務 | 事務職として広く経験を作りたい人 |
| 総務経理 | 総務・労務・経理を少人数で兼務する | 幅広くバックオフィスを経験したい人 |
経理に寄せたいなら、求人名よりも業務内容を見てください。一般事務の中に経費精算や請求書処理が含まれる場合もあれば、経理事務と書かれていても電話対応や庶務が多い場合もあります。
簿記2級は必須?3級でも転職できる?
経理未経験者が最も迷いやすいのが、簿記2級まで取ってから応募すべきか、3級で動き始めてよいかです。ここは歯切れよく整理します。
簿記3級は最低限の土台として使いやすい
簿記3級は、経理の基礎を理解する入口として使いやすい資格です。仕訳、勘定科目、決算の基本的な考え方に触れるため、未経験者が「経理に興味があります」と言うだけの状態から一歩進めます。
簿記2級は強いが、応募を止める理由にしない
簿記2級は、経理求人で評価されやすい資格です。ただし、2級を取るまで応募してはいけない、という意味ではありません。20代であれば、3級取得済み・2級勉強中の状態で、経理アシスタントや未経験歓迎求人に応募しながら進める選択肢もあります。
資格より実務に近い経験も大事
販売職ならレジ締めや売上管理、営業職なら請求書対応や数字管理、事務職なら経費精算やExcel集計など、経理に近い経験は意外とあります。資格だけで勝負するのではなく、前職で数字を扱った経験を整理しましょう。
未経験者が入りやすい経理求人の選び方
未経験から経理を目指すなら、いきなり経験者向けの決算担当求人だけを狙わないことが大切です。最初は経験を作れる入口を探しましょう。
① 経理アシスタント・経理事務から入る
経理アシスタントや経理事務は、日次処理や入力補助から経験を積める可能性があります。最初から全体を任されるより、先輩社員や税理士の確認が入る環境のほうが未経験者には向いています。
② 中小企業・スタートアップは幅広く経験できることがある
中小企業やスタートアップでは、経理だけでなく総務や労務を兼務することもあります。範囲は広くなりますが、バックオフィス全体の流れを学びやすい面があります。分業された大企業とは違う経験が積める可能性があります。
③ 会計事務所の補助も選択肢になる
会計事務所や税理士法人の補助業務から入るルートもあります。顧客企業の会計処理に触れられる一方で、求められる正確さや繁忙期の忙しさもあります。自分がどの働き方に合うかを見極めてください。
求人選びでは、未経験歓迎という言葉より、誰が教えてくれるか・どこまで経験できるかを見るのが重要です。教育担当、会計ソフト、月次補助に関われるか、繁忙期の働き方を確認しましょう。
ここまでをまとめると、未経験経理は資格・求人・相談先をバラバラに考えないことが大切です。簿記で基礎を作り、経理アシスタントや補助業務で経験化し、必要に応じて特化型サービスで求人の現実を確認する流れが動きやすいです。
年代別のポイント|20代・30代・40代で戦い方は変わる
経理未経験転職は、年代によって見られ方が変わります。この記事の中心は20代ですが、30代・40代で目指す場合の考え方も押さえておきましょう。
20代はポテンシャルと学習姿勢を見せる
20代は、未経験でも育成前提で見てもらえる可能性があります。簿記の学習、Excelスキル、数字を扱った経験、正確に処理した経験を整理し、経理を目指す理由を言語化しましょう。
30代は前職経験との接続が重要
30代で経理未経験を目指す場合は、前職での数字管理、業務改善、マネジメント、顧客対応などを経理業務にどう活かせるかが重要です。完全なポテンシャル採用だけに頼るより、総務経理や管理部門寄りの求人も含めて見たほうが現実的です。
40代は実務に近い経験の棚卸しが必要
40代で未経験から経理を目指す場合、資格だけでなく、これまでの職務経験の中で経理に近い要素をどこまで示せるかが重要です。求人によっては経験者採用が中心になるため、会計事務補助、総務経理、派遣・紹介予定派遣など、入口を広げて検討する必要があります。
営業・販売・接客から経理へ転職するなら何をアピールするか
経理特化メディアの記事は、経理経験者や会計領域の読者を前提にしていることが多いです。一方で、この記事を読んでいる人の中には、営業、販売、接客、コールセンター、一般事務など、まったく別の職種から経理に移りたい人もいるはずです。
他職種から経理を目指す場合、職種名をそのまま伝えるだけでは弱いです。前職の中にある「数字・締め切り・確認・改善」の経験を経理向けに翻訳する必要があります。
営業経験は売上管理・請求対応・数字責任に変換する
営業職なら、売上目標の管理、見積書や請求書の確認、入金状況の確認、顧客別の数字管理などが経理に近い経験になります。単に「営業をしていました」ではなく、「数字を期限までに確認し、関係部署と調整していた」と表現すると、経理業務との接点が見えます。
販売・接客経験はレジ締め・在庫・現金管理に変換する
販売や接客の経験がある人は、レジ締め、売上集計、在庫管理、返品処理、現金差異の確認などを棚卸ししてください。経理そのものではなくても、お金や数字を正確に扱った経験として整理できます。
一般事務経験はExcel・経費精算・請求書処理に変換する
一般事務経験がある人は、Excelでの集計、経費精算、請求書処理、資料作成、社内申請の確認などを経理に近い経験として出せます。特に、ミスを防ぐためにチェックリストを作った、締め切り前に関係者へ確認した、入力ルールを整えたといった改善経験は使いやすいです。
未経験転職では、経験がないことを隠す必要はありません。その代わり、これまでの仕事で培った正確さ、期限管理、数字への抵抗のなさを、経理の仕事にどうつなげるかを説明しましょう。
経理未経験の志望動機・自己PRで書くべきこと
経理未経験者の応募書類では、なぜ経理なのか、なぜ今キャリアチェンジするのか、入社後にどう学ぶのかを見られます。簿記を勉強していますだけでは足りません。
志望動機は「安定していそう」だけで終わらせない
経理は安定したイメージで見られやすい職種ですが、志望動機をそれだけにすると弱くなります。会社のお金の流れを正確に支えたい、数字を通じて事業理解を深めたい、バックオフィスから現場を支えたいなど、仕事内容に踏み込んだ理由を入れましょう。
自己PRは性格ではなく行動で示す
「几帳面です」「責任感があります」だけでは、他の応募者との差が出にくいです。自己PRは、どんな場面で、何を確認し、どんなミスを防いだかまで書くと経理向けになります。
たとえば、営業資料の数字を毎週確認していた、販売店舗で締め作業を担当していた、事務職で請求書の不備を見つけて修正したなど、具体的な場面を出すと伝わりやすくなります。
職務経歴書では経理に近い経験を上に寄せる
職務経歴書では、前職の業務を時系列で並べるだけでなく、経理に近い経験が分かるように整理しましょう。Excel、請求書、売上管理、経費精算、データ入力、締め切り管理、社内外の確認業務などは、応募先に合わせて見せ方を変えます。
- 売上・請求・入金・経費など、お金に近い業務を書き出す
- Excelやシステム入力など、数字を扱う作業を書き出す
- 締め切りを守るために工夫した行動を書き出す
- ミスを防ぐために確認した手順を書き出す
- 簿記学習中なら、学習状況と応募後の継続予定を書く
面接で確認すべきこと|入社後の後悔を減らす質問
未経験から経理へ転職するときは、内定を取ることだけでなく、入社後に経理経験を積めるかを確認することが重要です。面接は評価される場であると同時に、自分が働く環境を見極める場でもあります。
最初に担当する業務を確認する
入社後すぐに担当する業務が、請求書処理なのか、経費精算なのか、電話対応中心なのか、庶務中心なのかで経験の積み方は変わります。求人票に経理と書かれていても、実際の業務割合は確認しましょう。
月次業務に関われる時期を確認する
経理として成長したいなら、日次処理だけでなく、月次業務にいつ頃から関われるかを聞いておきたいです。もちろん未経験でいきなり担当する必要はありませんが、補助でも月次に触れられる環境かどうかは重要です。
繁忙期の働き方を確認する
経理は締め切りのある仕事です。月末月初や決算期の残業、チーム人数、業務分担、休みの取りやすさを確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。
未経験で経理に転職した後に後悔しやすい理由
競合記事では「未経験でも経理になれるか」に焦点が当たりがちですが、入った後のギャップも重要です。経理は人気がある一方で、向き不向きがはっきり出る仕事でもあります。
① ルーティンワークが多い
経理は毎月同じ流れで処理する仕事が多くあります。変化の多い仕事が好きな人にとっては、想像より単調に感じることがあります。ただし、正確に積み上げる仕事が得意な人には向きやすいです。
② 評価が見えにくいことがある
営業のように売上数字で成果が見えやすい職種と違い、経理はミスなく処理することが当たり前になりやすい仕事です。評価制度や役割の広がり方を確認しないと、頑張りが見えにくいと感じることがあります。
③ 繁忙期に休みにくいことがある
月末月初、決算期、年末調整など、経理には忙しくなりやすい時期があります。求人票の残業時間だけでなく、繁忙期の働き方、チーム人数、業務分担も確認しておきましょう。
入社後の後悔を減らすには、仕事内容だけでなく働き方のリズムまで確認することが必要です。経理は安定した仕事に見えますが、締め切りのある仕事でもあります。
あお僕が人材会社で求人企業を担当していたとき、管理部門の採用担当者から「未経験者には、簿記の知識より先に、締め切りを守って正確に確認できるかを見ています」と聞いたことがあります。候補者を選考する立場ではありませんでしたが、企業側の話として、経理は派手なアピールより日々の正確さを重視されやすい仕事だと理解しました。
経理未経験転職で使うサービスの選び方
未経験から経理を目指す場合、どのサービスを使うかで見える求人が変わります。ここでは、経理特化と事務職向けを分けて考えます。
HUPROは経理・会計に寄せたい人向け
最速転職HUPRO(ヒュープロ)は、経理・会計など管理部門や士業領域に特化した転職サービスです。経理求人を中心に見たい人、会計事務所や管理部門の選択肢も含めて相談したい人に向いています。
ただし、対象は25〜45歳、エリアは東京・埼玉・神奈川・大阪中心という条件があります。地方在住の人や対象外の年齢の人は、他サービスも併用して確認してください。
ミラキャリは20代で事務職から広げたい人向け
ミラキャリは、20代・事務職未経験向けの転職支援として使いやすいサービスです。最初から経理一本に絞るより、一般事務やバックオフィス職から経験を作りたい人は候補になります。
目的別に併用するのが現実的
経理に絞るならHUPRO、事務職から広げるならミラキャリという使い分けが自然です。どちらが上という話ではなく、今の経験・年齢・エリア・志望度で入口が変わります。
サービスを使い分ける
未経験から経理に転職する5ステップ
最後に、今日から動くなら何をすればよいかを手順で整理します。資格の勉強だけで止まらず、求人確認まで並行して進めるのがポイントです。

- 経理の仕事内容を日次・月次・年次に分けて理解する
- 簿記3級の学習を始め、可能なら2級も視野に入れる
- 前職で数字・確認・締め切りを扱った経験を書き出す
- 経理アシスタント・総務経理・会計事務補助の求人を見る
- HUPROやミラキャリなど、目的に合うサービスで求人の現実を確認する
この順番で進めると、「資格を取ったけれど応募先がない」「求人は見たけれど何をアピールすればいいか分からない」という状態を避けやすくなります。
あお僕が2回目の転職で自己分析に3ヶ月かけたとき、最初に効いたのは「やりたい職種名」ではなく「前職で何を任され、どんな場面で数字を扱ったか」を書き出したことでした。経理未経験でも、売上管理、請求書確認、在庫管理、Excel集計のような経験があれば、応募書類で経理に近い要素として整理できます。
経理未経験転職でよくある質問
経理未経験でも正社員に転職できますか?
可能性はあります。ただし、経理アシスタント、経理事務、総務経理、会計事務補助など、未経験者が入りやすい入口を選ぶことが大切です。
簿記2級がないと経理転職は無理ですか?
無理とは限りません。簿記2級は評価されやすいですが、20代なら3級取得済み・2級勉強中で応募できる求人もあります。求人条件とセットで判断してください。
一般事務から経理へ転職するのはありですか?
ありです。一般事務で経費精算、請求書処理、Excel集計などに関われるなら、経理に近い経験として整理しやすくなります。
HUPROは未経験でも使えますか?
経理・会計領域に特化したサービスなので、求人条件や年齢・エリアが合うかを確認しながら使うのがよいです。対象は25〜45歳、東京・埼玉・神奈川・大阪中心とされています。
経理に向いていない人はどんな人ですか?
細かい確認作業が苦手、締め切り管理が苦手、同じ流れの業務に強いストレスを感じる人は注意が必要です。入社前に繁忙期や業務範囲を確認しましょう。
まとめ|経理未経験転職は、資格より入口設計が大事
経理未経験転職は、簡単ではありません。求人の母数は限られ、経験者を求める求人も多く、簿記の学習状況も見られやすいです。
ただし、20代であれば、簿記の基礎、数字を扱った経験、未経験者向け求人の選び方を整理することで、経理への入口は作れます。最初から決算担当を狙うのではなく、経理アシスタント、総務経理、会計事務補助などから経験を積むのが現実的です。
経理特化で求人を見たいならHUPRO、20代で事務職から広げたいならミラキャリも選択肢になります。自分の年齢・エリア・経験に合う入口を選びましょう。
他の転職サービスも含めて比較したい人は、無料診断で自分に合う相談先を確認してみてください。




